ハイパーサーミア治療
がんの治療には「手術・放射線療法・化学療法」の3大療法がありますが、これに「免疫療法」や「ホルモン療法」などを組み合わせた集学的がん治療という考え方が普及しています。あらゆる医学的知見を結集してがんに立ち向かう治療体系です。
古来より温泉や湯たんぽ、赤外線などを利用した温熱療法は病気に効果があるとして親しまれてきました。しかし、これらは一般的な温熱療法であり、がん細胞を直接標的とした治療ではありません。
ハイパーサーミア(がん温熱療法)とは
ハイパーサーミアとは、悪性腫瘍(がん)に対する温熱療法の名称です。がん細胞が正常細胞に比べて熱に弱いという性質を巧みに利用した治療法です。当院では2002年に導入し、2台体制で延べ2万3千件以上の治療を行っております。
腫瘍部位を43度以上に加温することで、がん細胞を死滅へと導きます。さらに、温熱効果によって周辺の正常組織の免疫機能が活性化され、患者様自身の免疫力を高める効果も期待できます。
抗がん剤と併用することで、相乗的な治療効果が期待できます。抗がん剤の使用量を抑えつつ、副作用の少ない治療を長期にわたり継続することが可能となります。熱感や皮膚の刺激を感じる場合はありますが、重篤な副作用はほとんどありません。
治療の適応部位と効果
ハイパーサーミアは、以下の疾患を除くほぼ全身の部位に適用可能です。身体の表面に近いがんから、深部にあるがんまで幅広く対応しており、がんの再発防止にも大きな力を発揮します。
| 適応外となる部位・疾患 | 脳、眼球、血液疾患 |
|---|---|
| 適応となる部位 | 上記を除く全身の部位(身体の表面および内部のがん) |
治療開始までの流れ
当院でハイパーサーミアを受けられる際の手順をご案内します。
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WEBからの診察予約
WEBより温熱相談予約をお取り頂くか、受付時間内であれば、直接ご来院いただいての相談も承っております。 -
検査資料の準備
直近の検査データ、画像資料、他院からの紹介状などあればお持ちください。(持参なくても大丈夫です。) -
医師による診察・カウンセリング
医師が診察・相談を行います。その後、スタッフより持ち物や詳細について説明いたします。 -
治療予約の確定
診察・説明の終了後、初回治療の予約をお取りいただけます。
ハイパーサーミアの主な利点
- 再発(二次発がん)の危険性を低減させることが期待できます。
- 脳や眼球を除く、ほぼ全ての悪性腫瘍に対して有効です。
- 長期にわたる加温治療を行っても、身体へのダメージが極めて少ないのが特徴です。
他の治療法との併用効果
放射線治療や抗がん剤治療との相乗効果
ハイパーサーミアは単独でも効果がありますが、放射線治療や抗がん剤治療と組み合わせることで、お互いの治療効果を高めることが可能です。当院では、十分な効果を得るために週2回の治療をお勧めしております。
費用のご案内
ハイパーサーミアは保険適用です。初診相談料や7回目以降の自費診療については以下の通りです。
| 初診相談料 | 15,000円(税込) ※別途、初診料がかかります。 |
|---|---|
| 保険適用(1~6回まで) | 3割負担:27,000円 / 1割負担:9,000円 ※初回治療時に一括でお支払いいただきます。別途、再診料が必要です。 |
| 2~6回目の支払い | 再診料のみお支払いいただきます。 |
| 自費診療(7回目以降) | 1回 15,400円(税込) ※別途、再診料が必要です。 |
治療にあたっての注意事項
安全に治療を受けていただくため、以下の点にご留意ください。
- 食事の制限:上腹部の治療を受ける方は、3時間前までに食事を済ませてください。その他の部位の方も、直前の食事はお控えください。
- 治療の可否:体調や体格によっては治療が困難な場合があります。
- 禁忌事項:ペースメーカー、埋め込み型除細動器、人工内耳をご使用の方、または妊娠中の方は治療を受けられません。
- 豊胸目的のシリコン等が埋め込まれている部位の治療はできません。金属ステントや金属粉を含む刺青がある方は事前にご相談ください。
- 治療後の反応:一時的な痛み(脂肪層・骨・手術痕など)や疲労感が出ることがありますが、多くは一時的です。
- 水分補給:治療の前後は、十分な水分補給を心がけてください。
ご不安な点やご質問がございましたら、医師や看護師までお気軽にご相談ください。
